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2022.07.23 SAT

木材の中で最も人気な樹種!木図鑑 第四弾「タモ」の魅力に迫る!

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少しお洒落なカフェや居酒屋に行くと明るい茶色の木で出来たテーブルに出会うことはありませか?おそらくそのテーブルはタモで作られた可能性が高いです。タモは、広葉樹の中でも特に木目が縦にまっすぐ通り、材質は均質で粘り・弾性が高く、節や材利用上の欠点も少ないのが特徴です。また木目がクッキリ現れ、それに加えてクセもなく上品な樹種となっています。そこで今回はタモについて解説していきます。

タモってどんな木??

■幅広い用途の「有用材」

タモ 一枚板テーブル


テーブルはもちろん、家具材、フローリング、カウンター、積層材、階段材など、幅広い用途があります。家具材として広く用いられる「オーク(ナラ)」と並んで有用な木材です。

北米産のホワイトアッシュもタモに酷似しており、スポーツ用品としても活躍します。

例えば、ボートのオール、ホッケーのスティックなど。これらのスポーツ用品は規格が決まっていて、年輪の数や含水率、重量など様々な制約が存在しています。※スポーツによって規格は異なる

■アオダモは野球のバットとして重宝されるが・・・

戦後の乱伐などによって良質な材が採れなくなってしまったアオダモ

野球のバット

タモと聞いて「アオダモ=野球のバット」と思いつく方も多いのではないでしょうか。ズバリその通りで、日本プロ野球では古くから「アオダモ」がバットとして大活躍していました。

大リーグで活躍したイチローもアオダモを愛用しており、近年では大谷翔平選手も2020年シーズンまでアオダモを使用していました。しかし、現在ではアオダモバットはほとんど流通しておらず、プロ野球でもアオダモバットを使用している選手は極めて稀です。

それもそのはず。戦後の乱伐などによって良質なアオダモが採れなくなってしまい、現在ではバット材としてのアオダモは極めて貴重な存在となっています。

「バットフォーエバー」のキャッチフレーズでお馴染みの植林活動も懸命に続けられていますが、バットの材料として使えるまでに70~80年の生育期間が必要なため、現在の植林活動が実を結ぶのはまだまだ先になりそうです。

■どこで採れるの?

タモ 木

タモの中でもヤチダモは湿地に育つ樹種で、肥沃な水はけのよい湿潤地を好み、湖畔などでよく見られます。

昔から主に北海道でよく採れる樹高30m以上にもなる木材です。特に、日高地方・十勝地方でよく採れると言われています。しかし、古くに行われた乱伐によって大径木はたくさん採れなくなってしまいました。

現在では、幅広の材料はロシアや中国の輸入品が多いのが現状です。現状では、どちらかと言うと中国産のタモの方がロシア産に比べて良質と言われていますが、国産材の流通量が絶対量も減ってしまい、今では高級品となっています。

また、日本国内本州に於いても関東以北で採れますが、北海道のタモに比べると木目が粗いと言われています。シオジ・アオダモも同類の樹種です。

■オーク(ナラ)に並ぶ有用材で家具材のスタンダード

タモ

タモは、広葉樹の中でも特に木目が縦にまっすぐ通り、材質は均質で粘り・弾性が高く、節や材利用上の欠点も少ないのが特徴です。

欧米を中心に世界的に人気なオーク(ナラ)と同様に、家具の他様々な用途に用いられるため非常に人気の高い樹種です。木目がクッキリ現れ、それに加えてクセもなく上品。非常に「木」らしい表情が現れ、塗装してもしっかり馴染む事から幅広く人気があります。

タモ集成材
タモ集成材

大径木はなかなか稀少価値が高くなりましたが、小径木(特別太くない木材)については、積層材・集成材に用いられ、余す事なく利用される「愛されキャラ」と言っても過言ではありません。

建築業界では「タモ」は「たいがい何にでも使えるオールラウンドプレイヤー」と認識され、非常に人気が高いのです。

■どんな人にオススメなの?

所謂、木らしいと言いますか、木質感を楽しむには「タモ」がうってつけです。木目もハッキリしており、着色しても馴染みやすく「◎」です。タモの中でも「アオダモ」はプロ野球選手が多く愛用していて、用途は異なるものの「一流が好む」逸材である事は確か。

タモを買うのにおすすめな人

  • ナチュラルな木質感が好きな方
  • どんなテイストにも馴染ませたい、お部屋のテイストを気分によって変えたい方
  • 落ち着きがありながら「高級感」を演出してくれるテーブルが欲しい方
  • 自己主張が強すぎずどのお部屋にも馴染みやすいテーブルが欲しい方

※※余談※※

■日本・世界のバット事情

上述の通り、古くから日本プロ野球で愛されてきたアオダモは原木が急減し、わずかに残された木材も高品質材の入手が困難になってきました。それによって、近年はアオダモに代わる木材がバット市場に大きな変化をもたらしています。

YouTubeでもその魅力・変遷を解説しておりますので、ご興味ある方は是非ともご覧ください。

また、さまざまな木材の端材でバットを作ってみました!
そちらも併せてご覧ください。

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■解説・資料提供
岡崎製材株式会社
大正6年(1917年) 愛知県岡崎市で創業した日本一アカデミックな老舗木材屋。
世界中から仕入れ取扱う銘木は200樹種・5万点超で、日本一の木材保有量を誇る。
近年ではSDGsの取組みとして木の端材から新しい価値を創造・提案する”HAZAI® project”を推進し、大手企業とコラボするなど社会的注目度も高まっている。
また、YouTubeチャンネル「材木屋のおやじとせがれ」では、同社4代目社長:おやじと、そのせがれが無垢材文化の伝道師として「オトナの木育教室」をテーマに様々な無垢材・高級銘木の魅力を発信している。

会社HP:https://www.okazaki-seizai.co.jp/

店舗HP:https://hell-bent.co.jp/

YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/ZaimokuyaTV

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